DS-16Fというユニット <2014.0305start>
ちょっとお恥ずかしいエピソードもありますが、結果オーライののりでご紹介します。
コイズミ無線のHPをのぞいていると、こんな文言が目についた。
ダイトーボイス DS-16F
柔らかな、和やかな音の要素を持ち、驚いた事に「P-610」に匹敵するといってもよい性能を持っている…
と江川三郎氏もお墨付きの通称「無印」。小型マグネットで一見HIfi向きには見えないですが、非常にバラ
ンスの取れた設計です。キャビネットの内圧を高めないようにバスレフか容量の大きな(60リットル)箱に入
れるのがオススメです。
スペックも紹介されている、
インピーダンス ……8Ω
最低共振周波数……85Hz
再生周波数帯域……fo〜18kHz
出力音圧レベル…… 92dB
入力…………………10W
バッフル開口径 ……145mmφ
重量…………………510g
キーワードは【P−610】だ。あのダイアトーンの銘器とされていたP−610を思い出す。現在は生産されてないのでまさに私にとっても幻のユニットと言えるあのP−610の音がもう一度聴くことができる。そう思うだけでワクワクする。かてて加えてあの江川さんのお墨付きとなるともう、やるしかない!の世界だった。
一昨年の真空管オーディオフェアで上京した折ホーンドライバを買い求めた際にいっしょにDS−16Fもゲットした。早速、ゆったり目のバスレフに入れて音だし・・・・
パイオニアのPE−16を想定して初めてのスピカークラフトの ダブルバスレフ FE16では結構こことよい音を
バスレフボックス 写真は、再仕上げの途中のもの 響かせてくれていた
結果は・ ・ ・ ?!であった。出て来た音はとても音になっていない。電蓄なみ?・・・
そんなはずはない!と、こんどはFE−16ようにSPEDで設計したダブルバスレフで挑戦・・・・ しかしこれもだめだった。
だめかぁ・・・ DS−16Fについて否定的な書き込みも目にするにつけて、あきらめてしまっていた。
そんなある日、ふと目にした仕上げまでしてあったブックシェルフスタイルのボックス、そういえばもう10年も前に作っておいたものだった。廃棄するにはおしくて、仕上げだけして放っておいたものだった。しばし、昔のことを思い出して見ていると、
エンクロージャーの寸法図 板材は6mm厚のシナ板合板の3枚重ね
最初に思いついた使い方 いや、上下逆にして いかにも非力と思わせるマグネット・・・
ツイータを使う密閉型 バスレフ型なのだと気づいた
確か、こう使って上の穴にはツイーターが入るはず。直径が56mmφ。さて、どんなツイータが適合するのかいろいろ当たってみた。が、いっこうにそれようのものが見つからない。仕方がないので穴を開け直して使ってみるかとも考えた。しかし、あるとき逆にして思いついた。これって、バスレフパイプ穴?!そう思ってみると、56mmφが納得できる。早速DS−16Fを取り付けて音出し・・・・
わぉ!! 小さなブックシェルフスタイルのボックスからとは思えない低音が出て来た。もちろん、バスレフパイプは手持ちがないので、バスレフパイプは板厚だけだった。それでも、QWTに負けない音を出してくる。調べてみたらフォステクスから出ているP−49というバスレフパイプの取り付け穴が56mmφ、まさにバスレフとして使うように製作したボックスだったのだ。10年間ほど、適合するユニットを探している内に時間が過ぎてしまい、どう使うのかもさえ記憶に残らなかったシステム。
最初、外見からして、非力とも思えるマグネットから大きめの箱で負荷のかからないゆったりとしたシステムでのびのびならすのが最適だと思い込んでいましたが、この小さなブックシェルフからこんな音が出てくるのかとびっくりでした。
そんなことから、バスレフパイプをちゃんとつけてあげて前面はサランを貼ってお化粧してあげることにしました。
バスレフパイプの装着 最終的な仕上げをしました
ごめんなさいDS-16F、ごめんなさい江川さんというところでしょうか。適材適所という言葉がありますが、まさにこのことかも知れません。見た目の判断もいけませんね。
改めて、スピーカークラフトの奥深さを知った出来事でした。
(だだ、QWT-F200Aの音を聴いてしまうと、バスレフ臭さを感じてしまうことは否めません。)