バリバリ説のカブって・・

                  

 バリバリ伝説一巻に登場するカブ。(以下バリ伝カブ)なぜか、本編より強く

 印象に残っている。最近では、カブをイジるのはそんなにめずらしいことでは

 ないが、20数年も前に 現在のカスタム車両に勝るとも劣らないスペックで

 登場し、そのポテンシャルは、主人公の熱いハートとシンクロし、読者の心を

 完全にうばってしまった。

 私もその一人、今も尚、ネット上で話題に上がることもしばしば。しかし、

 ネット上でのバリ伝カブは、個人個人の思いもあってか、情報がバラバラ・・ 

 想像が膨らんだ話もチラホラ・・ まぁ、漫画の中での話なので、むしろ

 想像が膨らむことは、漫画的には良いことなのでしょうけど。。


 そんなことから、この バリ伝カブ を、少し検証してみたいと思います。

 漫画ですから、各所に ”辻褄が合わない”場所も多々あるでしょう。しかし、

 そんなことよりも、「あのカブのスペックはどうなんだろう?」と、想像して

 夢を膨らませた思いに、少しだけ現実味を加えてみようと思うのです。



 ■ バリ伝カブ スペック

 ・2スト125ccフルチューンエンジン搭載

 ・モリワキチャンバー装着

 ・フロントサス テレスコ化

 ・フロントダブルディスクブレーキ化

 ・リヤディスクブレーキ化

 ・サブフレーム追加

 ・用途 代車



   
  徐々に更新していきます。

  
☆私の個人的想い付きや、感想でしかありません。共感していただければ幸いです

 ■ 検証 @ ベース車両は?

     
メイトのウワサもあるが、バーディーもありえる!?

     作品中では、「カブ」ということで、おっちゃんとグンの話は成立しています。
     しかし、「カブ」という言い方は、カブ型のバイク 例えば、ヤマハ・メイトや、
     スズキ・バーディーなど をひっくるめた呼び方にも聞こえなくもないのです。
     よくネット上でも目にする「ヤマハ・メイト説」も、そんなことから浮上してきた
     ものと思われます。
     
     メイト説は、カブ型の車両に2ストが載っているという理由から「あれはメイトだ!」
     という理論だと思います。しかし、作中の絵や、おっちゃんの語りっぷりからしても、
     エンジンは別の物を載せ替えてあるように思われるので、2ストだからメイトという
     のは少し違うように思います。

     では、何か・・?

     バリバリ伝説の一巻が発行されたのが、昭和58年(1983年)バリ伝のストーリー
     も、その当時の時代背景を画いた作品と思われます。つまり、1983年以前の車両
     からベース車両を探っていけば、何か見えてくるのではないかと思われます。

     ホンダ・カブは、バリ伝発行の2年前、1981年にモデルチェンジを受け、ほぼ現代
     のカブと変わらない形となっています。

     
            1981年

     80年代に入り、各メーカー共にモデルチェンジを行なっていますが、ライトの形など
     が 丸から四角に変更が見られるなど、バリ伝カブのベース車両としては外して考える
     必要があります。そこで、70年代後期の各3メーカーを比較してみることにしましょう。

               1970年代後期の3メーカー比較
     
        ホンダ・カブ      ヤマハ・メイト    スズキ・バーディー

     フレーム形状で特徴的なのは、メイト。2社とはシート下の形状が異なります。
     驚くのはバーディーで、写真だけで判断すると、カブと殆ど変わりません。やはり、
     「バーディー説」があっても不思議ではなかったのでは?と思ってしまいます。

     メイトは、年代を少しさかのぼって調べてみましたが、シート下の形状は初期の頃から
     の特徴で、一目でメイトと分かるシンボル的な部分ということが分かりました。
     バーディーに関しては、この手の写真資料しか無いので、細かな部分の違いは何とも言
     えません。


     では、バリ伝カブは・・ 比較してみましょう。

     

     どうでしょうか? 
     シート下の形状からも分かるように、やはりメイトとは違うような気がします。
     フレームやサイドカバーの形状からすると、バーディーのようにも見えますが、レッグ
     シールド中央のカバーの色や、リヤショックの取り付け位置など、全体のバランス的に
     少し違うように思えます。
     1981年式のカブと比べてみると、フレーム形状、レックシールド形状は、ほぼ同一に
     見えます。注目したいのは、フロントキャリアの形状が一緒というところです。
     
(カブでも年式によりキャリヤの形状が違います)
     

      
以上のようなことから、やはり1981年式ホンダ・カブが有力ではないかと思います。

     やはり、ここまで力を入れて作ったバイク。おっちゃんの気持ちになれば、「ホンダの
     スーパーカブでなければ意味がない!」ということかもしれません。。
     

     そういえば、店の看板にも ”ほんだっきゃない”って書いてあったな・・

     


 ■ 検証 A エンジンは?

     
CR‐125が有力?

     バリ伝カブの一番の”謎”でもあるエンジンについて検証してみたいと思います。
     エンジンに関しては、市販レーサーのRS125Rのエンジンでは?という説があります。
     私も長いこと、このHP上でRSのエンジンと紹介していました。しかし、バリ伝カブ
     を良く見ると、明らかに空冷エンジンである事が分かります。RSのエンジンは水冷
     なので、これは間違った説ということになります。
     では、何か? ベース車両を調べたと同じく、資料にて検証してみたいと思います。

     まず、数ある車両の中から、1983年以前で125ccの空冷エンジンを搭載したホンダ
     の車両を探してみます。
     調べてみると、意外に車種が少ないことに気づきます。同クラスの他メーカーは車種
     がいくつかあるのですが、ホンダはモトクロッサーのCR125しか見あたりません・・
     やはり、ホンダは4ストに力を入れていたということでしょうか?
(このCR125も、
      80年代に入り水冷へと変わっていきます)

     CR125のエンジンは、RS125Rの前進?でもある、MT125Rという市販レーサーに
     搭載されていたようです。この事からも、バリ伝カブは CR125のエンジンが有力
     ではないかと推測されます。

       
       1976 エルシノアCR125       1976 MT125R


     しかし、ここで大きな疑問が残ります。

                   
このエンジン、カブに載るのか!?
     
     ご存知の通り、カブのエンジンは横型(シリンダーが前向)です。しかし、CRのエン
     ジンは縦型(シリンダーが上向)。カブのフレーム形状からしても、搭載するには非情に
     難しいかしいような気がします。実際には、現物合わせしてみなければ分からないでしょう
     が、相当な苦労が必要だと思われます。作品中の絵を見ると、明らかに縦型ではなく、横型
     のエンジンということが分かります。やはり、CRのエンジンではないのか・・?
     しかし、ホンダ125cc空冷というエンジンは他にはありません。では、なにか?もう少
     し幅を広げて調べることにしました。
     いくつかエンジンを見ていると、一つのことに気づきます。他メーカーもそうですが、
     100ccを境に100cc以上のエンジンはほとんどが縦型。100cc以下のエンジン
     は横型が多いことが分かりました。
     視点を変えて空冷横型でカブに載りそうなエンジンを調べてみることにしました。そこで
     目にとまったのが、こちら MB100(輸出車)です。

     

     どうでしょう?
     一見、縦型にも見えますが、エンジンのマウントのしかたに特徴があり(少々斜め)横型の
     エンジンに近いことが分かります。これならば載る!とは言い切れませんが、載りそうなレ
     ベルではないでしょうか? ヘッドのフィンの形からしても、バリ伝カブのエンジンのイメ
     ージと合うような気がします。25cc足りませんが、かなり現実的なエンジンではないか
     と思います。




     
続き作成中。。

     


 ■ 検証 B サスペンションは?

          
市販レーサーの MT125の流用か!?

 ■ 検証 C ブレーキは?

          
意外と大型バイク系・・?

 ■ 検証 D 外装は?

          
レッグシールドの "MIHARU" のステッカーってなに?


   作品中の画像、資料の画像等を無断で使用しています。
   資料に関しては H9年発行の八重洲出版の1945−1997日本モーターサイクル史を参考にしています。
   問題がある場合、ページを消去する考えでいます。