第3回研修会の報告

 場所:群馬県草津町 ホテル中沢ビレッジ宿泊
 日時:2007年11月24(土)、25日(日)
 参加人数:19名

 今回の研修は、森林・自然関係者が森林療法を行うときに必要な知識を学ぶことを目的としていました。
 1日目、まずは、松井田病院の児玉一惠先生より、最近耳にするようになったメタボリックシンドロームについてお話いただきました。森林インストラクターでもある児玉先生は、鳥の鳴き声の出る小道具を使って、楽しく教えてくださいました。続いて、上原先生よりカウンセリングについて、体験型の室内実習が行われました。その後は草津独特の温泉療法「時間湯」を体験し、夕食後も講談師のテルメ屋六兵衛氏から草津の温泉療法にまつわる講談を楽しみました。

 2日目は、ホテルの社長自らがお客様を森にご案内する朝の散歩に参加。朝食後、降矢先生よりホリスティック医学についての講義の後は、実際に森での実習です。 初めに、降矢先生から「森林での養生法」としての樹林気功。続いて、草津温泉松岡医院の松岡敏夫先生からの「森林での運動療法」では、エアロビクスを取り入れた運動療法の実践に、心地よい汗をかきました。昼食後は、上原先生から「森林カウンセリング」として二人一組になって傾聴の実習。じっくり話しを聞く実習は、貴重な体験でした。 今回の研修は、一泊二日という短い時間の中で盛り沢山の内容でしたが、多くの先生方から、貴重な講義を聞くことができました。
 講義をいただいた先生方、ありがとうございました。



第6回医療部会

 「メンタルヘルス対策としての森林療法」

  12月16日(日)横浜自然観察の森
  報告:医療部会長 降矢英成




 今回は、職場の健康問題として、メタボリックシンドロームと合わせて"ダブルM"として重要視されている「メンタルヘルス」を取り上げました。まず、最初に、ある健康保険組合の「森林リラクセーション」のプログラムで活用した横浜自然観察の森を、それぞれの場所でどのような趣旨でどのようなことを行なったのかを降矢が説明しながらフィールド散策を行ないました。
 次に、レクチャーとして、まず「メンタルヘルス問題の現状」について、うつが原因の休暇、休職、退職者が80〜120万人に達すること、10人に1人が過去1年間に自殺を考えたことがあり、メンタルヘルス対策が必要と考えている職場は72%に達すること、その対策の中で「オフサイトミーティング」という、社内のソーシャルサポート増強や上司―部下の相互立場の理解、一体感の醸成を目的とした研修に森林環境が有用であるとの考えが潟宴Cフバランスマネジメント社代表取締役の渡部卓氏より、続いて、同社の小野なぎさ氏より下記の4件の森林研修が紹介されました。
@清里キープ協会:人事向け「合宿型メンタルヘルス勉強会」
A横浜自然観察の森:社員向け「森林リラクセーション研修」(組合主催の日帰り研修)
B飯山市:社員向け「合宿型森林メンタルヘルス研修」(飯山関係者との交流会も実施)
C伊豆高原:役員・管理職向け「合宿集中型森林メンタルヘルス研修」
 アンケート結果では、"業務から離れた環境での研修は有意義。自然との触れ合いは大切と再認識"、"とても気持ちがよく、色々な話しができる気分になった"、"散策だけなく他のリラックス法も体験できるとさらによいと思う"、"リフレッシュできた部分はあるが、明日会社に行って元に戻る気がする"など、評価と課題が挙げられていました。
 3部では「メンタルヘルス対策の森林療法の課題と展望」をテーマにパネルディスカッションを、前述の2名の講師と(財)キープ協会環境教育事業部の五味愛美氏に加わっていただき行ないました。「森林研修」と「通常の職場研修」との違いとして、すぐれた自然環境の中での研修自体が日本では少ないこと、そして会社の施設での研修ではどうしても上下関係をひきずったままの雰囲気になってしまう問題を森林保養地では和ませる効果があること、などが基盤としてあがりました。
 また、森林での研修のプログラムでは、アンケートでも散策以外のリラックス法を望む声がありましたが、単なる散策や自然ガイド以外のプログラムの必要性があり、飯山市の事例では環境貢献に関する部署だったため森林管理作業が喜ばれたということでした。そして、会場からの質疑では、健康保険組合からの要望はあるか−出てきている、学校の職員のメンタルヘルス状態が悪いので学校へのアプローチはしているか−まだしていないが検討すべき領域である、費用対効果はどのくらい求められているか−今のところはあまり求められていない、などの応答がされました。
 森林研修の"効果の持続性"についてが気になる点ですが、決して一過性ではなく上下関係の緩和などの体験が何らかの効果を残していくのではと渡部氏は評価されていました。
 今回は年間最後の行事で、写真のように和室で部会を行い、終了後懇親会も行いました。



季刊 森林療法VOL.3 できました!


 今回は、NPO法人化の記念と新年ということで20ページの増頁になっています。

【内容】
 ○ 新年と法人化のご挨拶 NPO法人日本森林療法協会理事長 上原 巌
 ○ NPO法人日本森林療法協会 概要 事務局 飯田みゆき
<特集 ドイツの保養地>
 ◇ ドイツの保養地について 東京農業大学 上原 巌
 ◇ ドイツの気候療法を利用した保養 植苗病院 瀧澤紫織
 ◇ 林と田園を保養地にする「手入れ」と「小径」 北の森林と健康ネットワーク 草苅 健
 ◇ バート・ウェーリスホーフェンと信濃町 信濃町森林療法研究会:ひとときの会 秋山恵生
 ◇ バート・ウェーリスホーフェンについて 信濃町癒しの森係 浅原武志
 ◇ ドイツで実感したこと 森のまほろば 加々美光男
 ◇ クナイプ療法を体験して 赤坂溜池クリニック 佐藤栄児
 ◇ フリードリッヒ浴場体験 荒木労働衛生コンサルタント事務所 荒木葉子
 ◇ 「黒い森」周辺の森の印象について 財団法人キープ協会 五味愛美
<団体紹介>
 ○ NPO法人中頓別森林療法研究会
 ○ 草津森の癒しトレーナー養成講座について
<寄稿>
 森林空間と芸術(音楽)との接点:潜伏する森林療法のニーズの存在 音楽家 園田純子
<活動報告>
 ○ 第2回研修会
 ○ 第2回福祉・療育部会
各部会/委員会短信
行事予定
その他/編集後記



第2回福祉療育部会の報告


 学園祭「収穫祭」で賑やかな11月3日(土)、東京農大で2回目の福祉療育部会が行われました。
 今回は、長野県の児童自立支援施設における森林療法の試みというテーマで、同施設に勤務されている小松強志さんのご報告を聴きました。
 児童自立支援施設は現在全国に58 箇所あり、施設における現在の様子、状況などから、とてもわかりやすく、温かなお人柄の伝わるお話をいただきました。
 小松さんが勤務されている施設は約100 年の歴史があり、施設周辺にも大木があちこちにある森林に囲まれています。そうした施設周囲の環境を森林療法の場としても考え、
○ 森林療法の取り入れが可能な領域の確認
○ 生活のリズムを整える場
○ 人間関係回復の場
○ 欠落体験補充の場
○ 問題解決の契機となる場
などとして、体験、料理、アートとも関連させたアプローチしている事例が幾つかご紹介されました。
 また、施設においてはさまざまな療育事象が絡んでいるため、森林の効果だけを特に抜き出して、その効果を客観的に評価することは難しいこと、また、「森林療法」を実践するに当たって、周囲への理解を図る際、「森林療法士」のような資格がないと説得力に欠けるなどの課題もご報告されました。
 本当に小松さん、お忙しいご勤務の中、遠路松本からありがとうございました。小松さんのように、施設周辺の身近な森林環境を利用しての森林療法の実践がさらに全国で広がることに期待をしています。
 次回、第3 回目の福祉療育部会は、2008 年1 月下旬に、神戸市で行われる予定です。
 社会福祉関係の皆様方のますますのご参加をお待ちしております。



季刊 森林療法 Vol.2できました! 


 すでに会員の皆様方にはお送りしてありますが、会報誌「季刊 森林療法」が発行されました。
 今回の内容は以下の通りですが、全国大会の記事もあり、盛り沢山の内容になっています。
○ 巻頭言「癒しの森の集い」で感じたこと・学んだこと 森のまほろば自然学校代表 加々美光男氏
 【特集 森林療法研究会 全国大会】
○ 森林療法研究会全国大会(癒しの森の集い)をふりかえって:信濃町森林療法研究会(ひとときの会)鹿島岐子氏
○ 全国大会・団体発表の部:中頓別町国民健康保険病院院長 住友和弘氏
○ 全国大会・個人発表の部:東京農業大学 上原 巌氏
○ 癒しの森歩き体験:しもかわ森林療法協議会 奈須憲一郎氏
○ 癒しの森の講演会と森での体験会 信濃町癒しの森係 浅原武志氏

・ 団体紹介 企業のメンタルヘルス対策と森林療法−一次予防対策に森林メンタルヘルス研修―
  (株)ライフバランスマネジメント 小野なぎさ氏
・ 活動報告
・ 各部会/委員会短信
・ 行事予定
・ その他/編集後記
・ 速報:NPO法人認証決定!
・ 入会案内




森林療法研究会 ドイツ視察


2007年9月21日(金)〜27日(木)
参加者 計17名(男性9、女性8)

(旅程)
9月21日(金)
成田発→コペンハーゲン空港→ミュンヘン空港→バート・ウエーリスホーフェン駅→Kurpension Emilie(エミリー)着

9月22日(土)
○ 散策(保養公園:薬草園、トウヒ林、ブナ林の保養散策コース、歩行水槽での水療法体験)
 保養公園(Kurpark)は、ドイツの保養地制度では、設置することが義務付けられています。園内の散策路はバリアフリーです。薬草園には、クナイプ療法で使われる薬草のほとんどがあります。
 トウヒ林は、戦後植林されたところから、100年生以上のものまであり、当地の主な樹種になっています。ブナ林は、当地のもともとの潜在植生です。250年生以上の高木のブナ林が奥地にあります。
 時折、樹木検索をしながら、散策をしました。
○ クナイプ療法の歴史的な場所について(古代ローマ軍の陣営跡、近年の暴風雨跡、セバスチャンクナイプが赴任した修道院、彼のお墓、クナイプ博物館などに出かけました)
        
9月23日(日)
○ フュッセン
 フュッセンは、お城で有名な町ですが、実はクナイプ保養地、気候保養地、そして「地形療法」の保養地です。
 地形療法の散策コースのほか、生態系に配慮した森林保護の場所などを訪ねました。日本の登山道ともよく似ていました。

9月24日(月)
○ 午前中:クナイプ療法のレクチャー、クナイプ社の見学。
 クナイプのハーブティー、入浴剤、ハーブ枕などはすべてこのクナイプ社の独占生産、販売になっています。クナイプ療法の概要も含めて、製品の品質管理、製造過程なども見学しました。
○ 午後1〜3時:地元の森林官の案内による保養散策(Kurwanderung)コースの散策。
バート・ウェーリスホーフェンを発ち、バーデン・バーデンに移動(11名)

9月25日(火)
○ 午前中はバーデンバーデンの保養公園散策。午後は近隣のシュバルツバルト(黒い森)の散策。
 シュバルツバルトのほとんどは人工のトウヒ林であり、天然林ではありません。当地のもともとの潜在植生は、バート・ウェーリスホーフェン同様に、ブナ林だったと考えられています。
 現在、シュバルツバルトの約25%以上が酸性雨の被害を受けていると推察されていますが、陽樹の広葉樹の天然更新を中心に、複層林、混交林化も少しずつ進んでいました。
○ 夕方、ミュンヘンに移動。

9月26日(水)
○ ミュンヘン市内マリエン広場での散策。
○ ミュンヘン→コペンハーゲン空港→フランクフルト→9月27日(木)15:30成田着・解散
 コペンハーゲン空港行きの飛行機が遅れたたためにその後の乗り換え便に間に合わず、ドイツ・フランクフルトに再入国して、成田に戻りました。

 皆様、大変お疲れ様でした。






医療部会研修会の報告

場所:玉原高原ペンションもるげんろーて 
日時:9月15(土・晴れ)、16日(日・晴れ)
講師:上原先生・降矢先生・高山さん スタッフ:佐藤 15日夜からお手伝いで飯田さん(実費のみでの参加)
基本方針は医療従事者が森林療法に従事する際に必要な内容の研修でしたが、幅広い分野からの参加者が集まりました。
参加人数:12名(うち1名は日帰り)お子様1名
医師・看護師・薬剤師・臨床心理士・大学院生・森林関係者・その他

参加者全員13時15分までには集合しました。
到着者から順に血圧、唾液ストレス度測定を実施。その後オリエンテーション。上原先生よりご挨拶と森林散策前の心理評価(気分変動評価表・POMS)の説明と実施。

14:30 宿のおかみさん(森林インストラクター)によるペンション村裏の森林散策。キャンプ場から入りペンション裏へ抜けるルート。非常にあたたかい雰囲気のおかみさんでガイドも非常に柔らかい感じで好評でした。参加者の中には森林に詳しい方も多く、ところどころで立ち止まり列が離れることもありましたが、大きくはぐれることはなく、皆様存分にブナの原生林を楽しみながら、予定の1時間が1時間30分に伸びて終了。
16:00 ペンションへ到着 血圧測定、唾液ストレス度測定 
16:30 上原先生講義「森林療法の研究レビューと心理評価」
17:40自律神経測定開始 計測中は上原先生、降矢先生と参加者が膝を付き合わせてのフリーセッションとなった。これは予定されていたわけでなく偶然そのような形になったのですが、お客様の満足度は高かった様子。
18:15 夕食
19:30降矢先生講義「森林療法と自然ガイドの違いと生理評価」
20:45 終了

16日 7:00 朝の散歩 キャンプ場内ブナの広場で養生功・樹林気功
7:45朝食
8:45 高山さん講義「森林活動時の基本知識」 資料以外のお話の原稿をほしがる方が続出
10:30スキー場を横切りブナ平入り口、センターハウスへ散策しながらの移動
11:30昼食 
13:00塩田さん講師「ブナ平での森林ガイド実技」
玉原湿原から水源ルート、登りが少々きつめで、ぬかるみも多かったですが、歩くことに集中できたことが癒しに感じたという意見もありました。
15:30質疑応答、一人ひとり感想を述べていただく。その際のいくつかの発言
・森林療法の可能性を沢山感じた
・楽しかった
・地域に帰って生かしていきたい
・いつか本当に必要な患者さんが保険を使って森林療法を行なえたら
・スタッフが自然体で雰囲気がよかった
・医者のイメージがかわった

 参加者の方はいずれも体力があり、協力的でやる気が感じられました。森も存分に楽しんでいて、帰る際皆さん表情が良かったことはなによりでした。医療従事者は半分程度ではしたが、各自の目的はそれぞれ達成できたという意見が多かったです。






森林療法研究会全国大会の報告 

 晴天に恵まれた8月25日(土)、長野県北部の町、信濃町の一茶記念館で、全国大会が盛況のうちに開催されました。
 主な次第は次の通りです。参加者は北海道から関西までの100名が集い、会場には各地の取り組みや情報を交換するブースもあり、全国各地での取り組みや事例が活発に報告され、各発表のたびに活発な意見交換が行われました。また、宿泊場所は、町内の「癒しの宿」が提供され、夜の交流会でも全員が自己紹介し、和やかなひとときが過ごされました。
 翌26日(日)の午前は、癒しの森歩き体験、午後は講演会と様々な体験会が開かれ、いずれも盛況でした。
 きめ細かな大会・会場の準備、運営につきまして、信濃町の皆様、本当におつかれさまでした。
 来年の開催地は未定ですが、2008年9月を予定しております。今年以上にまた和やかな大会になりますことを期待しています。
 なお、大会の詳細につきましては、会報誌「季刊 森林療法」の第2号に掲載される予定です。


○ 団体発表の部
  「森と温泉を活かした健康づくり −森林ウオーキングの取り組み」
   中頓別森林療法研究会 会長 住友和弘氏
  「裏磐梯森林療法協議会について」
   裏磐梯森林療法協議会 会長 伊藤文夫氏
  「草津森林療法協議会の歩み」
   草津森林療法協議会 会長 山口昭夫氏 事務局 湯田六男氏
  「小菅村エコセラピー研究会」
   小菅村エコセラピー研究会 会長 小島力氏
  「財団法人キープ協会 森林療法プログラム「森療時間」
   キープ協会 インタープリター 五味愛美氏
  「運動・心身のケア・食事の面からアプローチ」
   森のまほろば自然学校 代表 加々美光男氏
  「北杜森林療法協議会について」
   北杜森林療法協議会 会長 跡部治賢氏
  「森林でのメンタルヘルス研修がセルフケア有効ケースの実例」
   株式会社ライフバランスマネジメント 代表取締役 渡部卓氏
  「信濃町森林療法研究会 ひとときの会」
   信濃町森林療法研究会 森林カウンセラー 秋山恵生氏
  「しもかわ森林療法協議会の活動概要」
   しもかわ森林療法協議会 会長 奈須憲一郎氏

  (ティータイム:ハーブティー、延命茶、おからチョコレートケーキ、ルバーブジャム、ブルーベリージャムと手作りパン、地元産のリンゴなどが提供されました)


○ 個人発表の部
  「身近な里山を利用した森林療法の事例」
   植苗病院精神科医 瀧澤紫織氏
  「森と音楽 森とアート 森と私」
   青梅森林療法研究会 音楽家/アロマセラピスト 園田純子氏
  「森林療法とホリスティック医学」
   赤坂溜池クリニック院長 降矢英成氏
  「森林療法の現状と課題」
   東京農業大学森林総合科学科 上原 巌




第1回 森林・自然ガイド部会 報告

 7月25日(水)、都立八国山緑地で第1回目の森林・自然ガイド部会が開かれました。
 八国山緑地は、なだらかな丘陵地にある明るい雑木林で、赤坂溜池クリニック/ホリスティックヘルス情報室では、3年前からストレスケアを目的とした森林養生プログラムのフィールドとして活用しています。
 今回は、「健康増進としての森林ウォーキングを考える」というテーマで、実際にこの森を歩きながら、自然ガイドが森林ウォーキングを行うときの癒しにつながる要素を、参加者全員で考えることを試みました。
 当日は、梅雨が明けきらない蒸し暑い日でしたが、平日の昼間にもかかわらず、看護師・薬剤師・精神保健福祉士・森林インストラクター、森林ボランティアなど、様々な方面の方々が12名集まりました。ウォーキングの途中では、五感を感じる時間や、呼吸法・樹林気功などを行い、また、途中途中では、参加者の方が発見する自然観察を各々で実施しながらのウォーキングとなりました。希望者には、ストレスにより上昇するといわれている唾液中アミラーゼ活性測定を、ウォーキングの前後で体験してもらいました。
 ウォーキング後、森林の要素・プログラムの要素など、健康増進ウォーキングの要素を出し合いました。その中で、森の要素としては、「道の広さ」「樹木の多様性」「水の存在」「適度な明るさ」「ある程度の勾配」など、プログラムの要素としては、「虫よけのケア」「案内人のキャラクター」「適度な参加人数」「気づきへの声がけ」「森林施業などある程度の心身的負荷」などが出されました。
 今後は、生活習慣病予防や、ストレスケアなど、対象者とテーマを絞った部会も行っていきたいと考えています。






第1回 福祉・療育部会の報告 

 七夕の7月7日に、東京農業大学で第1回目の福祉・療育部会が開かれました。
 今回は、同大学准教授の上原 巌より、知的障がい、精神障がい者の方々との里山再生を通しての療育活動の事例、視覚障がい者との森林体験の事例、老人大学校での森林散策の様子をはじめ、高齢者対象の森林療法の可能性、そしてひきこもりの方を対象とした森林療法の事例などが報告されました。また、福祉と連携した森林療法の場合、わかりやすさ、目標の明確さ、取り組みやすさなどが大切であることも報告されました。
 その後、ディスカッションとして、福祉に関連した森林療法の実践・推進の場合、その森林の所有地権者の了解をはじめ、地域への理解のはかり方、職場での理解と意思統一などの問題があること、森林整備の必要性、東京などの都市部等の場合は、高齢者、障がい者にとって森林へのアクセスが容易でないこと、施設でも社会福祉法規が変わり、人手不足の今日においては、福祉施設に森林療法を案内・指導する人材を派遣する必要があることなどが話し合われ、同じ東京でも奥多摩地域などでは、地域の資源活用としての森林療法の可能性があることや、世田谷では砧公園などを利用しての野外活動などが行われていることなども報告されました。また、都市部では公園などの活用の可能性も検討されましたが、やはり騒音や空気の清浄度などからも実際の森林環境には及ばず、可及的な活用に限定されることが過去の事例からも報告されました。
 次回の開催には、各地での福祉利用の取り組みの報告や、施設に派遣する人材のあり方、人材養成などについても話し合うことになりました。また次回も福祉、教育関係者をはじめ、多数の方々にお集まりいただき、各地での情報交換と、普及啓発にさらに取り組んでいきたいと思いますから、興味・関心のある方はぜひどうぞお出かけください。今回の参加者は社会福祉士、精神保健福祉士、作業療法士、看護師の方々をはじめ、計18名でした。



会報誌Vol.1ができました! 

季刊「森林療法」創刊号に引き続き、会報誌Vol.1ができました!
本号の主な内容は以下の通りです。

○ 巻頭言 森林療法の健全な普及の3要素を考える−フィールド・プログラム・担い手 医療部会代表 降矢英成先生
  <特集:森林療法の担い手>
  ・森林療法の担い手と、本研究会の研修会の意義  上原 巌
  ・森林療法の担い手 医療法人こぶし植苗病院精神科 瀧澤紫織
  ・「森林療法の担い手」について 草津温泉 森の案内人 高山正明
  ・森林カウンセリング 森林カウンセラー 秋山恵生
  ・森林インストラクターの視点/植物療法の視点 森林養生プログラムスタッフ 飯田みゆき
  ・森林療法における看護師の役割 赤坂溜池クリニック看護師 佐藤栄児
○ 団体紹介:小菅村エコセラピー研究会、裏磐梯森林療法協議会
○ 活動報告:第1回研修会、第4回医療部会
○ 寄稿:第二回森林療法の共同研究に参加して 会員 小川 洋
○ 各部会・委員会報告
○ 行事予定
○ 全国大会のお知らせ
○ 事務連絡:NPO申請を行いました
○ 編集後記
○ 入会案内



第5回 医療部会の報告

 6月17日(日)に北海道北部の町、中頓別町で医療部会が開かれました。
 会は、同町で昨年12月に発足したNPO法人中頓別森林療法研究会理事長の住友和弘先生(中頓別病院の院長先生でもあります)の基調講演「森林療法を活かした健康づくり」から始まりました。まずストレスとは何かというお話から樹木の精油成分によるストレスの軽減、また昨年の町民の方を対象とした森林浴プログラムの結果などをふまえ、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の予防への森林療法の応用、また日常的に運動不足やイライラなどのストレスのある方はぜひ一緒に森林を歩いてみませんかという内容をわかりやすくお話されました。
 その後医療部会長の降矢英成先生(東京・赤坂溜池クリニック院長)が司会をされ、「生活習慣病対策としての森林療法」をテーマに東京農大の上原巌先生や、地元北海道の下川町で先駆的にNPO活動を実践されている奈須憲一郎さん(NPO法人森の生活代表)が北海道、中頓別での森林療法の可能性について、パネルディスカッションを行いました。
 今回の医療部会のまとめとしては、地元の森林環境や自然環境を、季節を通して日常的、習慣的に利用し、健康増進に取り組んでいく実践を積み重ねることが大切であることが再確認されました。今回の会場であった北海道をはじめ、全国にはまだまだ身近な地域にさりげなく、豊かな自然・森林環境が存在し、健康増進としての活用の可能性も残っています。

 同日は、NPO法人中頓別森林療法研究会の発足記念シンポジウムも開かれ、基調講演として、旭川医科大学救急部の岡田基先生が「温泉による動脈硬化の予防」をテーマにお話をされ、事例報告として、北海道下川町のNPO法人森の生活代表の奈須憲一郎さんが、下川町での健康、福祉、もみの木の精油を活かした特産物生産などについて、これまでの取り組みを発表されました。また、その後のパネルディスカッションでは、「森林と温泉を活かした健康づくりとまちづくり」をテーマに、東京農大の上原巌先生、赤坂溜池クリニック院長の降矢英成先生、北海道苫小牧市の植苗病院精神科の瀧澤紫織先生の3人の方がそれぞれお話をされ、身近な森林や自然条件を活用しての健康増進の可能性や、同時に留意点、気をつけるべき点などについて、全国各地や海外の事例などもふまえて、お話をされました。
 
 今回は北海道という地域性も基盤においた研究会の開催でしたが、このような取り組みが今後全国各地でもそれぞれの地域の特色を活かして行われ、住民の方々にも自然・森林を利用した健康増進の気運や意識が高まっていくことが期待されます。






季刊「森林療法」創刊号できました! 

 当研究会の会報誌「森林療法」の創刊号ができました。本号の内容は以下の通りです。
次号は、7月1日発行予定です。
(巻頭言)森林療法研究会のこれまでとこれから   上原 巌
(特集)森林療法の今       
○ 森林学の分野での現状
     上原 巌
○ 医療領域での森林療法〜心療内科領域における実践の現状 
     赤坂溜池クリニック 降矢英成
○ 地域医療での現状〜自治体の取り組みから「生活習慣病予防への道のり」
     ・・・中頓別町国民健康保険病院内科 住友和弘 
○ 森林・自然関係団体における森林療法のプログラム事例
     財団法人キープ協会 環境教育事業部 五味愛美
○ 森林・自然関係団体での森林療法?事業型NPOによる社会的サービス提供 
     NPO法人森の生活代表 奈須憲一郎
○ 地域での現状 癒しの森事業で地域づくり〜長野県信濃町
     信濃町森林療法研究会(ひとときの会) 鹿島岐子
○ 地域での現状 まもなく1周年「北の森林(もり)と健康ネットワーク」
     北の森と健康ネットワーク副理事長 草苅 健
○ 地域での現状 日本で初めてフィトンチッドを測定した地での実践
     草津森林療法協議会事務局 湯田六男
○ そ の 他
     第3回医療部会活動報告
     各部会/委員会報告
     行事予定
     事務連絡/編集後記
     入会案内




第4回医療部会の報告

 うららかな春の晴天の4月15日(日)、東京・青梅市の永山丘陵で、第4回目の医療部会が15人の参加者のもと、行われました。
 今回は、「化学物質過敏症の患者さんが選んだ森林フィールドと体験談から学ぶ」をテーマに、実際に化学物質過敏症の体験方と一緒にその症状を和らげた青梅のフィールドを歩き、症状の経過、病院での検査結果などもふまえて参加者で考えました。

 今回、自らのご体験を語ってくださったのは、シンガーソングライターで、音楽療法や、ハーブ療法のセラピストもされている園田純子さんです(HP、ブログは、blog.goo.ne.jp/aqua_november や www.geocities.jp/j_sonod などがあります。)
 当時、「化学物質過敏症」という名前も一般には知られていなかった1991(平成3)年頃から、ひどい咳や目まい、立ちくらみ、嘔吐、発疹、動悸といった症状が、産業廃棄物処理場からの臭いや工場からの夜の霧、友人の車の中、タバコの煙、ディーゼル車の排気ガスなどに反応して起こるようになり、以来16年にわたって苦しめられることになった経緯が、園田さん自身の言葉で語られました。

 ワークショップは、そんな園田さんの症状を癒した場所として、青梅市の永山丘陵の園田さんの歩いた道を参加者全員で歩き、追体験をしながら、始まりました。サクラ、アカマツ、コナラ、クヌギ、アベマキ、シデ類、ケヤキ、ヒサカキなどの雑木林や、スギ、ヒノキの造林地などに出会いながら散策路を進み、園田さんが抱きついたり、頭部や手のひら、手の甲をつけて症状を緩和したというスギの木、発声練習の場なども紹介していただき、スギの造林地の谷部では、参加者全員で音を揃え、発声練習も行いました。こうした森林環境と音楽の組み合わせは今後1つのセラピーとして発展していくかも知れません。
 丘陵地帯の道は全般に歩きやすく、道幅(2〜4m前後)も適切で、明るく、また樹種や景観、奥行きの変化などもあり、大木も混在しているため、都市部に近い森林の保養空間としてはまず申し分のない環境であることも参加者の感想からうかがえました。

 散策後は、永山ふれあいセンターの会議室で、園田さんのこれまでの症状やそれに伴う引越し経過、また最近行われた大学病院での検査結果なども紹介されて、全体討議を行いました。医療部会長の降矢英成先生(赤坂溜池クリニック院長)からも化学物質過敏症の概要やその症状や知らず知らずに蓄積されていき、ある時期に堰を切ったように症状が発現することなどのご説明もされました。

 園田さんご自身は症状の改善が見られ始めるまでに、森林に出かけるようになってから3年ほどの時間がかかったとのことですが、こうした化学物質過敏症といった「現代病」も森林環境・樹木ではその症状を緩和することができたという本ケースから、やはり森林・樹木には何か疾患や不均衡、不整をととのえる働き、効用があることが推察されました。
 また、当日参加された方の中にも、自らの体調不良の際、自宅の近くの公園で、樹木に抱きつき、樹木に抱かれることで癒されたという体験を持つ方もみえ、樹木の不思議な魅力、効力についてますます興味がつのるところでした。


 青梅では6月下旬に青梅での森林療法関係の研究会を始めていく予定もあります。今後もHPの「次回お知らせ」をご覧ください。
 なお、次回の医療部会は、6月17日(日)に北海道・中頓別町を会場に行われる予定です。






第2回世話人会の報告

 第2回目の世話人会が4月15日(日)10:30〜12:00に、東京・青梅市の永山ふれあいセンターで行われました。
 話し合われた会議の概要は、下記の通りです。

1.会員の状況(一般会員、専門会員、団体会員、賛助会員)
2.研究会の収支と会計担当について
3.各部会の動き
  ○医療部会
  ○福祉・療育部会
  ○森林・自然ガイド部会
  ○団体交流部会
4.各委員会の様子
  ○編集委員会
  ○研修委員会
  ○森林フィールド部会
5.全国大会(長野県信濃町 8月25,26)について
6.第2回研修会について
7.共催プログラムの開催について
8.NPO法人化について
9.ドイツ視察について
10.その他




森林療法研究会第1回研修会のご報告 

 3月17日(土)、18日(日)に山梨県甲府市の武田の杜「健康の森」と、湯村温泉を会場に、第1回目の研修会が行われ、研修会参加者25名、一般からの体験参加者7名、スタッフ6名の計38名が集まりました。
 今回の研修会は、自然・森林ガイド部会の主催で、森林療法の担い手の研修が行われました。研修会の主な内容は下記の通りです。
○ 森林療法概論(東京農業大学 上原 巌氏)
○ 自然ガイドが行う「健康づくり」−こころのガイドを考える(草津森林療法協議会 高山正明氏)
○ 福祉・療育分野における森林療法(上原 巌 氏)
○ 森林療法の現場における担い手(自然ガイドなど)の役割(山梨支部長・森のまほろば 加々美光男氏)
○ 「医療」、「福祉・療育」、「自然・森林」の3グループに分かれての事例紹介
○ 朝の散策、樹林気功(東京・赤坂溜池クリニック院長 降矢英成氏)
○ 「健康の森」の散策(加々美光男氏)
○ 「医療における実践」(降矢英成氏)
○ 一般参加者との森林体験(自然・森林ガイド)、「医療」「福祉・療育」に分かれてのグループ活動・検討
○ 山梨県の森林概要(山梨県森林環境部 中島崇文・鈴木宜忠氏)
○ 各グループ活動の報告

今回は初めての研修会ということでスタッフにも不備があり、参加された皆様方にはご
迷惑をおかけしたこともあったと思いますが、研修会は今後も継続し、内容・質ともに徐々にグレードアップをはかっていきますので、どうぞご参加ください。
 次回は、4月15日に東京・青梅で医療部会主催の研究会が行われる予定です。






第3回 医療部会の報告

 1月8日(祝日の月曜日)に、静岡県浜松市天竜病院と、同病院隣接の静岡県立森林公園を会場に第3回目の医療部会が行われました。心療内科医、精神科医、看護師、臨床心理士、薬剤師、カウンセラーなど、14名の方が参加しました。
 研究会の内容は、天竜病院精神科の五條智久先生、内山 敏先生のご案内で、同病院での森林療法で使われている森林散策コースを全員で歩き、体験することから始まりました。身近な森林公園内の散策でしたが、様々な樹種の林相があり、かけすの青いきれいな羽や、巧みに作られた巣などを発見し、また途中の道路工事のため、急峻な丘を臨機応変に上り下りなどもしながら、心身が自然にかえることを体感しました。
 散策後は、これまでの天竜病院における森林療法の事例や、対象者の変化の様子、効果などの報告をお聞きし、全体で今後の森林療法の可能性を考えました。
森林環境を活用した効果や課題としては、
○森林環境は、集団、集団行動を受け入れやすくする。
○森林環境では、医療従事者、クライアント共にかかわりが持ちやすく、話しやすい。
○室内で面と向かって面接をするよりも、散策をしながらの方がコミュニケーションが取りやすい。
○抱えている問題を直視しやすい。また、日常の問題を客観視できる。
○主治医との関係がうまく形成されている場合は、さらにその効果が促進される。
○集団は嫌いだが、人間関係を学びたいというクライアントには向いており、逆に森が嫌いなクライアントは不向きである。
○安全管理面では、熱中症や虫刺され、ちょっとしたケガに留意する必要があり、参加者には事前に承諾書をとることもお互いに大切である。
○通院の外来精神療法の1つとして導入することができそうである。
などなどのことがあげられました。また、森林療法を医療現場に定着させるためには、やはり身近なところで、こつこつと実践事例を重ねながら、周囲にも啓蒙していくことが大切であることも認識されました。
 天竜病院の五條先生、内山先生はじめ、参加者の皆さん、おつかれさまでした。
 次回の研究会は、4月15日(土)に、東京・青梅で開催される予定です。






第1回世話人会の報告

 2007年1月7日(日)に、東京・世田谷で、1回目の森林療法世話人会(各地からの代表者など)が開かれました。
 2002年4月に軽井沢で発足してから5年。市民研究会として各地で行脚もしながら活動してきましたが、市民の方々や専門家の方々をはじめ、さらに幅広く森林療法の普及啓蒙を図っていくことを目的に大幅なリニューアルと組織編制が行われました。
 森林療法研究会の目的は、
「森林環境を利用しながら、心身の健康増進をはかる森林療法に関する研究、実践、および広く市民、専門家に普及啓蒙を行うことを目的とする」とし、会員は、
@一般会員:一般市民の方(向け)。森林療法の「体験会」に参加することができます。
A専門会員:医療従事者や森林・自然ガイド従事者で、今後、森林療法を担っていく会員。「体験会」「研修会」「専門部会」などに参加することができます。
B団体会員:森林療法に関心を持っている医療・福祉、または、森林に関する団体・組織。その団体・組織の所属者は何人でも会員となることができ、「体験会」「研修会」「専門部会」などに参加することができます。
C賛助会員:当会の活動に金銭的賛助をしてくれる個人または法人
の4種類とすることが決められました。また、研究会内には、「部会」として、
○医療部会
○福祉・療育部会
○森林・自然ガイド部会
○ネットワーク部会
の4つの部会を設けることも決まりました。
 そして、かねてから希望のあった「研修会」を、今年から各地で定期的に開催してくことも決まりました。
 第1回目の研修会は、3月17日(土)、18日(日)に、山梨県甲府市の「健康の森」と湯村温泉で指導者養成の研修会を計画しています。どうぞふるってご参加ください。