第18回いなさ人形劇まつり

2006年11月18日
合併して浜松市となった静岡県の引佐は、飯田からはR151をひたすら南下して3時間弱。

昨年はりんご狩りと重なり行けませんでしたが、今年は1週間ずれたので、泊りがけで行こう、と計画をし始めた矢先。
大きな目的の1つだった、日曜日の京芸「ちいさくなったパパ」のチケットが売り切れてしまいました!!
追加公演の依頼までしてあがいたのですが、残念ながら・・・(とても丁寧に親身になって対応してもらえたことをここで報告します)。
結局泊りがけはやめ、土曜日日帰りで、家族全員で行くことになりました。

 10時〜 総合体育館 キウイルーム

 げきだんはてな
 「うかりひょん」「あしたの天気はかえられる」 
(600円)


朝1だったせいか、お客さんがあまり入らず、こじんまりとした客席でした。
うそまことさん、長山サトコさん、ピアノ弾きKYOUさんのジョイント。3人で開演を待つ客席を遊んでくれました。
←「夕やけドリンク」を太陽さんからいただきました。ドキドキして飲む子ども達。私もいただきました。味は、内緒です。

そんな和やかな中始まった、1つ目「うかりひょん」。3人のアンサンブルと歌も楽しみながら、いろんな「うかりひょん」に笑いました。が、笑う気満々のお客さんが少なく、終始控えめな客席で、やりにくかったかな。

2つ目「あしたの天気はかえられる」。
久しぶりに帰ってくるお父さんと、明日遊園地へ行くつもりで楽しみにしているのに、台風が近づいてくるので落胆している姉弟・・・服を作ったりして大切にしてくれるこの姉弟のために、てるてるぼうずのルラルはつばめのばめちゃんに乗って空へ上ります。
酔いどれ太陽に出会ったルラルは、どうやって台風を明日来ないようにするか思案し、「夕やけドリンク」を台風に飲ませてみると・・・。
とってもいいお話で、3人のそれぞれの持ち味が役に生きていたのも好感が持てましたが、人形劇の中にピアノ弾きさんが加わりきれてない気がしてしまったり(キーボードでの生演奏、生効果音はとてもよかったので、もったいなかった!)、後半、未消化を感じてしまう場面もあり、今ひとつ。でも、もっとよくなった状態をまた観たいと思いました。

 11時15分〜  総合体育館 オレンジルーム

 人形劇団ココン
 「チュータとクッキー」「チャハハ丸とヘヘヘ丸」  
(600円)

私も子ども達も、「絶対、また観たい!!」と激しく渇望したこの作品。チュータがどうなるのか、すべてわかっていても、おかしくてたまらないのでした。でも正直、一緒に観ている初めて観る皆さん(夫も含む)がうらやましかったりも。
多分、また観ますね、私達(爆)。
始まる前、ココンさんに「まったく同じだけど、いいの?」と言われましたが、いや、ちょっと変わっていました。花が鼻って・・・栄養を注ぎ込むなんて・・・「こうしてみよう」と面白いことを思いついて変えていくの、楽しくてたまらないだろうなー。今度観る時にも、なにかまた変わっているかも♪と期待したりして。

「チャハハ丸とヘヘヘ丸」、話は単純で、セリフもたんたんとしているのに、1つとして無駄がなく、間も余韻も、頭の中での反復も、すべてが楽しいのです。
最初、すっとぼけた顔のヘー助が「くぅりー」と関西弁のイントネーションで一言発するだけで、つかまれてしまうのですが、この「くぅりー」、ちゃんと耳に残ることも、あとで重要だったりします。
あんころもち、飯田では「一二三屋饅頭」に見えましたが、今日は「みそまん」に見えたり(爆)。
チュータの途中からBGMが始まったりするのも、照明の加減なども、腹話術からマリオネットの世界へ上手に誘導してくれるのにいい塩梅で、足すものも引くものもない、すばらしい1時間でした。

12時30分〜 野外ステージ

 江戸糸あやつり人形
 「かっぽれ」ほか
(無料)







「遊んでいいよ」の人形達。
お昼を買いつつ、上條さんの江戸糸あやつりを。
これも見るのは何度目か、ですが、こうやってこのシーズンに外で見るというのが一番いいですね。
室内の平間で、人形の動きだけに注目しているのは、子ども達には長い・・・。夏の野外は、暑そうでお気の毒になる・・・。
お昼を食べる人ががやがやいる中で、伸びやかに宴会芸のように人形を操る様子は、この芸にぴったりでした。


 1時15分〜 多目的研修センター つつじホール

 人形劇団むすび座
 「うみぼうやとかぜばんば」 
(600円)

飯田では2005年に上演されたこの作品。その時は文化センターのホールだったし・・・てんしょうは2歳で1時間半の上演はまだ無理そうだし・・・写真を見ただけで「こわそう」と子ども達はしり込みしたし・・・(小声で)子どもも1人1500円だし・・・(いなさでは600円。子どもは400円!!)。
今回は絶対に観たかったのです。平間だし、1年以上たって、もっとこなれているだろうし。

そして・・・ベテラン役者さん達のコンビネーションがすばらしかった!コリン君の3人に、また楽しませてもらえて満足です。裏方もこなし、何役も演じ分ける5人は、5人に感じない!倍はいたように錯覚しました。
でも、ホールだとどうだろう?遠いと、そんな一人が何役をもこなす様子はわからないし、平間だからよかったのだと思います。自分も、海の波に揺られているような錯覚を起こすほど、場がよかったのでした。
人形は、あれもいいのだろうけれど、ちょっと食器洗いスポンジみたいで、最初気持ちが入らなかったな・・・。人形と目があわないと、人形に対する情がわきにくいのは、私の感覚が硬いかな?
後半は暗さと、クライマックに向かうところで悲壮感が平たくなってしまった気がしたのとで、私の集中力が緩んでしまいました。つまり、睡魔が(爆)。
てんしょう、ジンベエザメのジンベエさんが妙に気に入り、後半怖がるかと思いきや、ご機嫌で観ていました。
海の汚染や温暖化、大切な自然とその脅威など、地球や海が直面している問題をともに考えてゆこう、というメッセージも、子ども達にしっかり伝わりました。人形劇にメッセージを託すという方法は、どんな説明よりも雄弁では?渡り鳥がどんどん落ちてくるのには心底凍りましたし。油のウンチを撒き散らす「タコクラゲコウモリダコニュウドウ」は、実は人間なのだと思うと、寒気も感じました。

 3時30分〜 引佐町商工会館

 茶問屋ショーゴ
 「こぶとりじいさん」「ウサ吉くんとカメ男くん」 
(600円)

「こぶとりじいさん」は超シンプルなペープサート。踊る鬼の腕だけが動くのが、すごく楽しそうに見えるのが不思議でした。じいさん2人は、私、めがねをかけていなかったので、よく見えませんでした(爆)。
ウサ吉くんのショーゴさん、カメ男くんのなおみさんという2人の役どころは、もしかしてこれがこのお2人の地の姿?と思うほど、いい味、いい関係でした。ほかの作品よりも、なおみさんの味が際立っていたように思います。カメを捕まえて向きを変えたり、2人で準備体操をしたり(特に腕立て伏せ!)、単純なことなのに、おかしくてほほえましい。
人形はどちらも小さく、セットも単純で、お茶の間でもできるようなものなのに、こうやって楽しめるなんて素敵だなーと、今回はいつもに増して感じました。前が大掛かりな人形劇だっただけに、余計に。子ども達の家での人形劇ごっこにつながるのは、こういう作品ですね。
音楽会も「待ってました!」と口に指を突っ込む子ども達。1年中練習してますから(爆)。

てんしょう、捕獲。

 5時〜 健康文化センター ユーカリルーム

 平常(たいらじょう)
 ダンボール人形劇場「お花のハナックの物語」  
(600円)

                    飯田のフェスに続き、2回目。
この作品もメッセージ性の強い作品ですが、伝えたいという気持ち、子どもに対する思い、いっぱいありすぎて、ちょっとあふれすぎたような気が。実際大人が客席に多いので、早口でも言葉が多くても伝わるのでしょうが、小さいお客さんには、ハナックが、動物達が、何を言っていたのか残ってないのでは?
うちの子ども達は、
「ぼくのダンボール」
「ほくーはー ハナァックー」
「ランラララン」と歌を歌って帰ってくる様子を見ると、歌はしっかり入るんだなぁ・・・と。
ダンボールでの人形はとってもいい存在感でオリジナリティーも高いし、1色なのに、それぞれの動物が生き生きして見えるので、キャラやメッセージもそれぞれが際立ってくれば、もっと残るのに、と思いました。
それに、長い!ハナックが自分の花びらをちぎるシーンが、もう10分早く来てほしい!最初のちょうちょを作って飛ばすところはとってもいいのに、そこからハナックのちぎるシーンまでが、印象薄い・・・。しゃべりを減らし、流れを整理して、子どもに(大人にも)見やすくし、一番言いたいことだけがストレートに伝わるように練り直してほしいです。


後日談ですが、てんしょう、トイレでちょうどトイレットペーパーがなくなったようで、芯を取って持ってきました。それをはさみで切ったり、セロハンテープで貼ったりしていて・・・「にんぎょうげきするから、みて!」
持ち手も芯を切り開いて、細い方を使い、工夫していて、感心♪
ジョウくんの、ダンボールでちょうちょを作るところに触発されたようです(やらせではありませんが、親バカですみません)。
てんしょう、お気に入りのぬいぐるみで、よく人形劇はしているのですが、自分で作ったのを見たのは初めてでした。


・・・と、このページを更新していたら、「かみのけかこーっと」「もつとこが、まがっちゃうー。ぼう、ちょうだい!」と、どんどんグレードアップ。
そして、てんしょうの人形劇の、始まり始まり〜。
こんな余韻も、親子で人形劇を楽しむ醍醐味の1つですね。

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