平常(たいらじょう)



 「毛皮のマリー 人形劇版」

 2004年8月6日 7時〜 飯田文化会館1F


蝶を追う欣也。
オーガンジーのスカートの下に半ズボン。
片足はストッキング、もう片足はハイソックス。



「毛皮のマリー 花咲ける40歳の男娼
 欣也 美少年
 紋白 美少女
 下男 ああなつかしきストロハイム氏
 醜女のマリー この世で一番醜い女
 名もない水夫 蛇の刺青がよく似合う
 美女の亡霊 (7人?6人?ちょっと忘失…)
 快楽の滓 肉体美の青年
 鶏姦詩人
 他」
読み上げたのはこれと、もう1枚の紙←つかみはOK。


マリーさんの入浴シーンから。
下男にスネ毛をそらせてます(ジョウくん、生足)。








幕間(設定は暗転中)。
汗を拭いて水を飲んで鼻をかんでます。
それすら、演技の一部のように、皆でウケながら、じーっ。

 
                             
欣也はマリーの過剰な愛により、閉じられた世界で生きているのですが、そこへ、美少女・紋白がやってきて、外の世界へ出ましょう、ほかの世界を知りましょう、と誘います。








美女の亡霊 丸いスポンジを指にはめて2人分。

さらに、客席の数人がジョウくんにスポンジをはめてもらって、皆で指人形、しました(笑)。
ジョウくん、朗々とシャンソンを、歌う歌う〜。




詩人2人合体…取り外し可能。


水夫です。
…確かに、顔のいらない役どころです。

欣也のショッキング生い立ちをマリーさんが語っています。





欣也、紋白に襲われています!実はかなりはらはらしたんですけど…。

ここからは最終場、マリーさんと欣也の絡み、のみ、でどうぞ〜。



             
「毛皮のマリー」は1967年、異色劇作家の寺山修司が美輪明宏(当時は丸山明宏)をイメージして、母と息子、虚と実を描いた物語です。同年に美輪主演で、寺山氏が主宰した劇団「天井桟敷」の第3回公演として初演されました。

この物語は寺山自身と母の物語でもあったようです。母の濃密な愛をうっとおしく思いながらも、その庇護の下から出ていきたくはない…。
そんな寺山の現実から、母マリーの真綿で首を絞めるような愛を受け、純粋培養で18歳になった美少年欣也というキャラが生まれたようです。

そんな美少年欣也をジョウくん自身が演じ、マリーは人形を操って、さらにそのほかの登場人物まですべて、ジョウくん1人で演じきってしまった…!!!けっして1人芝居では演じられる台本ではないはず。

蝶を追いながら舞台に現れた欣也になりきっているジョウくんが、テーブルの上で正座して、台本に書かれた登場人物を読みあげた時は、それだけをどうやって1人で?と驚愕しましたが、見事にすべての役を演じきったジョウくんは、頭の中、どうなっているのでしょう??
だって、欣也になりながら、手ではマリーさんを優雅に操り、まさに「中年の男娼マリー」の動きを生み出しているのですから。

個人的な感想を言えば、子どもといっしょに楽しめる作品の方が好きです。しかしこの、放送禁止用語も飛び出す大人向けの人形劇、ジョウくんの本当にやりたい人形劇なのかな。まだこなれていない部分も、きっと、これから数年かけて、深めていくのでしょう。



 2004年11月20日 夜7時〜 引佐町多目的研修センター つつじホール

2回目ということで、展開が頭に入っていたこと、そして今回は場所もよく、少し離れた客席から全体を眺めていたこともあり、飯田の時よりも冷静に全体を楽しめました。

飯田で見たマリーよりも、こなれている感じがしました。そして、より気持ちが入り、丁寧にも感じました。このシーンはできあがっているのだろうか?といぶかしく感じた部分もしっかりしていたし。詩人のシーンは、飯田では、かまないかな?なんて心配するほど頼りなかった(爆)のですが、今回はよかったです。朗々と詩を吟じていました。

それと、「醜女のマリー」のシーンがありました。飯田ではなかったシーンです。バレエっぽいの。でもこのシーンは、ジョウくんが強くて、人形が生きているようには感じられないな〜。もう少し研究してほしいシーンでした。
マリーさんと欣也のシーンは、ますます迫力増。マリーさんの動きにもほれぼれ。
 
 

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