お年寄りから伝え聞く
どんな郷土料理があるか、またどうしてそのような料理が生まれたかなど、おおよそは本やインターネットなどを使って調べることができます。しかし、調べ学習を真に生きたものにするためには、その地域の食についての豊富な知識を持っているお年寄りから伝え聞くことが大切になります。実際に料理をつくるということになると、本だけではなかなかうまくいかないものです。やはり、つくった経験のある人に聞いたり、教わったりするのが1番でしょう。
そもそも伝統食というものは、世代から世代へ伝えられてきたものです。お年寄りからその技を教わることで、伝統食は継承されていきます。ぜひ、子どもたちがお年寄りと接して、伝統食を継承できる機会をつくってあげましょう。
どうやって調べるか
郷土料理は、その地域で生産されていた農産物を材料として生まれてきました。そして、その農産物は、地域の地理的条件に適したものが栽培されてきています。まず、自分たちの今住んでいる地域がどのような地理的条件で、どのような農産物が栽培されてきたのかを調べます。これは、社会科の授業と関連づけることもできます。
また、調べ学習を進めていくうえで大切なのは、ただ漠然と調べるだけでなく、テーマを決めてふくらませていくことです。
たとえば「おやき」について調べるとき、単に作り方を調べるだけでなく、県内の他地域と比較をして学習をすすめるとおもしろいでしょう。「おやき」や「お葉漬け」は同じ長野県でも地域によって材料や呼称が違うものです。なぜ違うのかを調べると学習はふくらんでいきます。
他には、天竜川の「ざざむし」のような珍味だけを集めてみたり、「お年取りの料理」について各地域の違いを調べたりするテーマも考えられます。「凍み料理」「塩の道」などといったテーマで調べてみるのもおもしろいかもしれません。
低学年では、テーマというよりは具体的な目標を設定するやり方もあります。たとえばお年寄りから調理方法を教わるときに「上手なこね方をおぼえる」とか「自分ひとりで作ることができる」とか、単純なものでもいいでしょう。
いずれにせよ、テーマや目標を決めることにより、子どもたちは目的意識を持つことができます。
そして、子どもたちが調べたことをまとめておいたり、お年寄りに聞き取りをする際にメモをしておいたりできるように、調査票を用意しておくと便利でしょう。調査票に聞きたいことを書き込んでおけば、子どもたちがお年寄りに質問をするときにも、役に立つでしょう。調査票は自分たちで最初から作り上げてもいいでしょうし、また、インターネットで公開されている下の調査票を活用してもよいでしょう。
「ルーラル電子図書館 地域の食を調べてみよう」
http://lib.ruralnet.or.jp/syoku/furoku/chosa.htm
どうやって聞き取るか
まず、聞き取り調査の第一段階は、協力してくれるお年寄りを見つけることです。
伝統的な食文化が根付いていた昭和初期くらいのお話をしてもらうには、やはり70歳以上のお年寄りが適任です。また、調理方法を聞き取るには、女性(おばあちゃん)がふさわしいでしょう。子どもたちの祖父母で協力してくれる人がいるか、聞いてみましょう。また、栽培学習などでお年寄りに手伝ってもらった場合は、引き続きお願いするか、知り合いの人を紹介してもらうやり方もあります。
事前学習を深め、調査票などを準備したら、いよいよ聞き取りです。お年寄りの家庭を訪ねてもいいですし、児童の人数によっては教室にお呼びしてもいいでしょう。
質問には以下のような例が考えられます。
昔はどんな作物を家で作っていて、どんな風に食べたのか?
お正月など特別な日には何を食べたのか?
子どもの頃、遊びながらとって食べたものはなにか?
春は何を食べて冬は何を食べていたのか?
どうやって作るのか?
実際に話を聞いてみると、知らない言葉や聞いたことのない食べ物の名前が出てきます。その場合はかさねて質問したり、調査票に書きとめて、後で調べてみます。
また、実際につくった料理を見せてもらったり、食べさせてもらうとより関心が持ちやすく、理解も深まります。そして実際に調理してみる段階へと結びつけます。
作ってみよう
伝統食は、各家庭によって材料や作り方が違っています。どれが正しいということではなく、その地域で生まれた味が、各家庭で少しずつ異なりながら引き継がれてきた証拠なのです。家に祖父母がいる子どもたちに、各家庭での作り方を聞いて、その違いを比較してみたり、それぞれの作り方で作ってみるのも面白いでしょう。
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