学びが広がる基本作物 ─ダイズ

01)世界・日本におけるダイズの食べ方
02)長野県におけるダイズの食べ方(味噌)

長野県におけるダイズの食べ方(味噌) ine_head_right

 長野では、昔から山の麦畑のうね間にダイズをまいて、ムギを刈り取るとダイズ畑に変身するような作付けや山間の斜面にある棚田の広い畦に作付けるなど、さまざまな工夫を凝らしてダイズを育ててきた。また県内では明治末頃から全国に先駆けて味噌の商品化もすすめられた。
 各地域の昭和初めにおける味噌づくりの特徴を下表にまとめた。地域によって豆味噌、こうじ味噌の違いはあるが、作り方は、やわらかく煮てつぶしたダイズを味噌玉に形づくって、1ヶ月近く寝かし、カビをつけた後に仕込むのが一般的である。こうじ味噌に使うこうじには、地域によって米、砕け米、ダイズの挽き割りなどが使われる。また、豆味噌についても、豆以外にやわらかく炊いた玄米や割り麦で作った甘酒などを混ぜる地域もある。いずれの場合にも塩は4、5割加えられていた。こうして作られた味噌は、味噌汁にして毎食飲まれただけでなく、料理の味付けや弁当のおかずになったり、また味噌漬けの漬け床にもなったりした。
 ダイズを栽培したら、半年かけてじっくりと発酵させる味噌に加工し、さまざまな伝統食づくりに取り組んでみよう。


昭和初期の各地域の主食と基本調味料(味噌)

地域 主食 味噌 醤油
安曇平
(烏川)
白米飯
麦飯
うどん
すいとん
豆味噌
・こうじ代わりに、やこめ、正月の飾りもちなどを搗きこむ
・3年味噌
醤油
すまし
木曽
(開田)
ヒエ粉飯
そばすいとん
アワ飯
豆味噌
・仕込みには、大豆の4割の塩と水を加え、サンショウの棒でかき混ぜる
たまり
伊那谷
(松尾)
麦飯
おつめり
こうじ味噌
・くだけ米のこうじ
・ダイズの3割のこうじと塩5割
・3年味噌
醤油
諏訪盆地
(豊田)
白米飯
混ぜごはん
こうじ味噌
・米こうじをダイズの4割、塩4割
・1年味噌
すまし
佐久平
(大沢)
白米飯
おほうとう
こうじ味噌
・ダイズ1斗に米こうじ1斗、塩5升
・3年味噌
醤油
善光寺平
(稲里)
麦飯
うどん
おぶっこ
こうじ味噌
・オオムギの挽き割りのこうじをダイズの5割、塩4割
・3年味噌
醤油
西山
(七二会)
麦飯
おぶっこ
おやき
こうじ味噌
・ダイズ1斗、塩5升
・仕込みに割ムギのおかゆでつくった甘酒を加える
・3年味噌
たまり
おすまし
奥信濃
(富倉)
かて飯
そばほうとう
豆味噌
・ダイズの5割の塩、2割の玄米
・仕込み時にやわらかく炊いた玄米を加える
・3年味噌
たまり
たれ

※1升=1.5kg、1斗=10升=15kg(主食の太字は、最も多い主食)

     
  味噌のつくり方

材料:米こうじ1.3kg、ダイズ1kg、塩500g、種水(湯ざまし)400g

 

1)前日に、ダイズをよく洗い、ダイズの3倍量の水に一晩(12時間)浸けておく
2)いったんざるで水を切り、ダイズがかぶるくらいの水を入れて弱火で煮る
煮汁が減ったら水を足し、親指と小指で楽に豆がつぶれるくらいまで、約2時間
3)こうじをほぐし、塩450gをよく混ぜる
4)容器の中に大きいビニール袋を入れ、はみ出した部分は外へ折り返しておく
5)煮えたダイズをすり鉢でつぶす。完全にすりつぶすこと
6)潰したダイズとこうじを混ぜる。種水(湯ざまし)を加え均一になるまでよく混ぜる
7)空気が入らないようにつき固めながら、容器につめる
8)表面を平らにして、塩50gをまんべんなく振りかける
9)ビニール袋を内側に折りたたみ、落としぶたをする。上から3kgの重石を置き、涼しくて風通しのよいところで保管する
10)表面につゆが出てきたら、重石を1kgにする。約半年で食べられる

 
     

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